証券会社の闇を明かす

刷り続ける…灰になるまで…

証券会社はこうして選ぼう

手数料について

株式投資の窓口となる証券会社は、どんなふうに選んでいるでしょうか。

手数料が自由化される前は、どの証券会社でも売買手数料や保護預かり料が同じだったため、私は、自宅の近くにある証券会社や、つぶれる心配のない大手証券会社を選んでいました。ところが、株式の売買手数料が完全に自由化されてからは、その料金に大きな格差が広がっています。保護預かり料も取るところと、無料のところに分かれています

売買手数料が安いのは、ネット証券や中小証券会社です。ネット証券はインターネットで取引をするためコストがほとんどかからず、その分だけ手数料を安くすることができます。中小証券会社は、店舗数や従業員が少ないため、手数料を安くすることが可能なのです。

これに対し大手証券会社は、従来通り店頭で顧客の相談相手をしながら営業する対面販売を中心にしています。そのため、店舗や従業員を減らすことが難しく、どうしても売買手数料が高くなりがちです。しかし、それではネット証券に顧客を奪われるため、大手証券会社でもネット取引に力を入れざるを得なくなっています。そこで、同じ証券会社でも対面販売とネット取引で売買手数料に差をつけていて、ネット取引のほうがはるかに割安になっています。証券会社を選ぶ条件の1つは、この売買手数料の安さです。手数料が安ければ安いほど、顧客にとって有利だからです。

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どのような口座開設がベストか?

もう1つの条件は、証券会社が提供する情報の質と量です。

情報の質と量で他を圧倒しているのは大手証券会社です。その情報の大半をウェブサイトで公開していて、その証券会社に口座を開設している顧客は、自由にアクセスができます。ここで、手数料の安さを取るか、情報の質と量を取るかという選択が生じます。

最も賢明な選択は、両方を選ぶことです。つまり、手数料の安いネット証券と、充実した情報を提供してくれる大手証券会社の両方に口座を開設すればいいのです。私は、頻繁に売買する銘柄はネット証券を利用し、長期投資や新規公開株の申し込み、国債社債、公社債投信などの売買は大手証券会社を利用するといったように、目的に合わせて証券会社を変えています。
なお、証券会社は必ずしも自宅近くの店舗にする必要はありません。口座開設の申し込みから売買注文まで、電話やインターネットで手軽にできます。自宅近くに合った方がいいのは、店頭に出向いて営業マンと情報交換をしながら売買したという投資家くらいです。しかし、そういう投資家は、今ではかなりの少数派となっています。